¥2,090

女の子たちはどのように表象され、そして今、自らを表現しているのか?
広告、映画、音楽、メイド喫茶、援助交際、ダンス、ファッション、アート、zine、社会運動のテーマから社会に新たな視座を提示する。

〈執 筆 者〉
田中東子(編著)
竹田恵子 上村陽子 中條千晴 中村香住 東園子
有國明弘 渡辺明日香 村上潔 梁・永山聡子(著)

ISBN: 978-4-7793-0658-7
A5並/194頁
2021年6月20日

在庫あり

説明

〈目次〉

はじめに

パート1 表象と解釈

第1章 どんな女の子でもどこにだって行ける
:ハリウッド映画における女性表象
1.フェミニズム映画批評の歴史
2.ポストフェミニズム的状況と映画
3.「美しく主体的な女性」と映画
4.『ワンダーウーマン』(2017)と『キャプテン・マーベル』(2019)
:2つのアメコミ原作女性ヒーロー映画の比較
(1)原作比較
(2)映画『ワンダーウーマン』(2017)、『キャプテン・マーベル』(2019)比較
5.まとめ

第2章 広告の “もうひとつ” の光景
:多様化する女性表象とオーディエンス
1.広告メディアに潜むジェンダー表象と新しいメディア・コミュニケーションの誕生
2.ジェンダー表象の変容とそれらをめぐる議論
(1)メディアにおける女性像、性別役割分業への批判の始まり
(2)「女性とメディア」研究の発展
(3)「女性とメディア」研究から「ジェンダーとメディア」研究へ
3.化粧品広告における女性の美
(1)身体美の4要素
(2)「あこがれ」としての「東洋美」の表れ
4.規範への「抵抗」を表現する広告とSNSの可能性
(1)SK-Ⅱのキャンペーン広告「運命を、変えよう。#changedestiny」
(2)ポストフェミニズムにおける女性表象
5.まとめ

第3章 ジェンダーの視点からポピュラー音楽を読み解く
1.音楽産業界における女性たち:日本とアメリカ
(1)アメリカ産業界における女性たち
(2)日本の音楽産業界における女性たち
(3)2010年以降の女性ミュージシャン
2.音楽とジェンダー批評に関する学術的アプローチ
(1)表象文化的アプローチ
(2)文化産業論的アプローチ
(3)音楽史・音楽社会学的アプローチ
(4)聴くことにおける能動性
3.現代の日本のアーティストの事例から考えてみよう
(1)ジェンダーバイアスを再生産するもの
(2)従来の「かわいい」に抗する
4.まとめ

第4章 メイドカフェ店員のSNSブランディング
:アイデンティティの維持管理という時間外労働
1.メイドカフェにおけるSNS利用という現象
(1)メイドカフェとはどのような場所か
(2)メイドカフェ店員がSNSを利用する理由
(3)女性のSNS利用とメイドカフェでの労働
2.インタビューからみるメイドカフェ店員によるSNS労働の実態
(1)メイドのSNS利用についてのインタビュー
(2)時間外労働であり営業ツール
(3)メイドとしてのアイデンティティの維持
3.デジタルメディアを用いた情動労働
:アイデンティティの表象、可視性、セルフ・ブランディング
(1)「情動労働」と「やりがいある仕事」
(2)メディアを通した「自己表象」とアイデンティティ
(3)可視性と望ましい「女らしさ」
4.フィールドのなかでインタビュー調査を行うコツ
(1)フィールドに足繁く通い、気づいたことをメモに残す
(2)フィールドのなかにいる人と交流する
(3)実際にインタビューを行う
5.まとめ

第5章 女子高生ブームと理解による支配:援助交際をする〈美少女〉
1.1990年代の女子高生ブーム
2.『制服少女』の援交女子高生論
(1)『制服少女』の援交女子高生論
(2)傷をめぐる誤謬
3.援交女子高生論と男性性
(1)援交女子高生を擁護した動機
(2)新『制服少女』における主張
(3)『〈美少女〉の現代史』の議論
(4)〈美少女〉としての援交女子高生
(5)ヘゲモニックな男性性論
(6)男性性の一考察としての〈美少女〉論
4.社会調査の心得
5.理解による支配と現代社会

パート2 交渉と実践

第6章 メディアをまとい闘うBガール
1.「ストリート」を男性的な空間として構築するジェンダー構造
(1)メディアによって「女性化」される女性アスリート
(2)「ストリート」は本当に「誰にでも開かれた」空間か?
(3)「ストリート」で踊らなくてもBガールになれる?
2.Bガールの実践を読み解くために
(1)「まなざし」
(2)ジェンダーを「する」
(3)「エンコーディング/デコーディング」
3.「ストリート」と闘うBガールの実践を分析してみる
(1)ストリートダンスバトルにおける「支配コード」
(2)「支配的な読解」を裏切るためのジェンダー・パフォーマンス
4.まとめ:ダンスからジェンダーを考える

第7章 ファッションとInstagram
1.Instagramをめぐる新しいコミュニケーション
2.ファッション・メディアの変遷
(1)ファッション雑誌の変容
:雑誌モデル、読者モデル、ストリートスナップ
(2)インターネット以降のファッション・メディア
:情報の迅速性と双方向性
(3)インターネットとファッションブロガー
:主体的な発信者の登場
(4)SNS生まれの森ガール
(5)ファッション・ジャンルの喪失と量産型の登場
3.Instagramというファッション・メディア
4.SNSとファッション
(1)若者のSNS利用に関する実態調査から
(2)服から離れたファッション
5.Instagramをどのように研究するか

第8章 ジェンダー・トラブル・イン・アートワールド
:日本アート界におけるジェンダーをめぐる問題
1.日本美術界のジェンダーをめぐる問題:教育という視点から
2.アートワールドの労働問題
3.日本美術界におけるジェンダーをめぐる動き
4.未来を創造するガール・アート
5.まとめ

第9章 ジンというメディア=運動とフェミニズムの実践
:作るだけではないその多様な可能性
1.はじめに
2.ジン・カルチャーとフェミニズム:概観と歴史
(1)ジン/ジン・カルチャーとは
(2)フェミニズムとジン
(3)ジンの先人たち:19世紀から
(4)ジンの先人たち:第二波フェミニズム/ウーマンリブ
3.現在のジン・カルチャーとフェミニズム
(1)第三波フェミニズム/ライオット・ガール
(2)クィア・カルチャー
(3)アナーカ・フェミニズム(Anarcha-Feminism)
(4)DIYフェミニズム
(5)ポスト第三波の現在
4.ジン・カルチャーが本質的に問題とするポイント
(1)人種
(2)階級
(3)障害
(4)体型
(5)身体性/生殖
(6)見えなくされている/無力化されている人たち
(7)困難・抑圧の交差性・複合性・重層性
(8)教育としてのジン、スペースとしてのジン
5.ジン・カルチャーの展開
(1)ジンフェスト(フェア)
(2)ワークショップ
(3)ジン・ライブラリー
6.国際的なつながり・ローカルな営み
7.おわりに

第10章 「フェミニズム」と交渉する新しい運動
1.「声」を上げる意味:#MeTooフェミニズムが身近になった瞬間
(1)「声」を上げるまでの道のり
(2)「声」を届ける空間を創る:ゆる・ふぇみカフェとは
(3)運営メンバーの多様性が企画の多様性へと
(4)時代依存的であるからこそ多様な世代と
(5)バラバラの価値観をバラバラのままに
2.オンラインとオフラインの活用
(1)ゆる・ふぇみの運営方法(広報):誰に伝えるのか?
(2)ゆる・ふぇみの運営方法(内部):どうやって運営していくのか?
3.本を読むこともフェミニズム運動のひとつである
4.フェミニズム運動の現場を知るには
(1)調査方法:社会学・文化人類学の方法
:運動参加レポートを書いてみよう。
(2)既存の運動を探し、参加してみる
(3)応用編:自分で運動を作ってみる!
(4)誰と行動するのか?
(5)運動を知ってもらうには?

第11章 女の子による、女の子のためのメディア研究に向けて
1.女の子とメディア文化
2.「ガールズ・スタディーズ」の広がり
3.メディア文化とフェミニズム

索引