東京五輪福島会場『周辺』ルポ

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東京五輪が福島市で始まった2021年7月21日の、スタジアム『周辺』の様子を精緻に描写したルポルタージュ。

36ページ(本文17777字/写真10枚)

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【解説】喜劇的な悲劇――笑って笑って泣けてくる駄文(ウネラ)

<午前11時。福島の、こどもたちが五輪応援のために提供したのであろうアサガオが、スタジアムからかなり離れた場所に置かれていました。>
五輪ソフトボール競技が福島市内で始まった7月21日。青い鉢に植えられたたくさんのアサガオが映る1枚の写真とともにウネリが投稿したツイートはたちまち拡散し、1万件以上リツイートされた。しかしその日ウネリは、主目的の取材に失敗し、巨大なスタジアムの外側でひとり虚しいドタバタ劇を演じていた。
何度もくり返される警備員や警察官との押し問答。出会った人たちとの会話。場景と心情の描写。そのいずれも、しつこいほどに省略せず、スタジアム周辺をあくせく動き回っていたときと同じ馬鹿なリズムで、精緻に再現している。
なんとかそのリズムに乗って「くだらない」と笑っているうち、ふと、これはすべて、実際に起こっていたことなのだと気づく。階段を踏み外すような感覚ののち、ここに書かれていることが、途方もない、悲劇的な現実だと思い知る。たぶん、空に向かって「青蛙!」と、声に出して言ってはいないと思うが。
「最初に謝っておきますね。フリーの身なので大会の取材許可証は持っていません。だから選手たちの迫真のプレーや試合後の感動の涙などは、この文章に一切お目見えしません。あくまで福島にやってきた五輪の『周辺』ルポです。中身はすかすか。叩けばポンと文明凋落の音が鳴るような駄文を目指しますので、悪しからず。」
筆者ウネリは、目的を達成したと言えるだろう。果たして読者は文明凋落の音が鳴る駄文に、何を見るだろうか。

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